ライフ・ストーリー3

吉田あきこのライフ・ストーリー3

初めての恋は、大学時代だという。

「でも私、中高が女子校で、
父と会話をしたこともなかったので、
男性が、自分と同じ人間だとは思えなくて。

何だか得体の知れないものが、
男性の形の着ぐるみを来てるんじゃないか、みたいな。
だから怖くて、何を話したらいいかわからなくて」

寂しい気持ちが常にあるので、お付き合いはするものの、
「心でつながる」という感覚がなく、長くは続きませんでした。

継続した人間関係が築けなかった

「恋愛にしても、友人にしても、
人間関係を築くことが私には出来ないんだ、って思いました。
何か、自分が欠陥している人間なのかとさえ思い
大学時代の後半は写真部に入り、暗室にこもっていました。」

考えてみれば、女友だちと絆を深めた体験も、
あまり思いあたらないと彼女は言うのだ。

「最初からあきらめちゃってるところが、
あったのかもしれないですね。

親が怖くて、人が怖いので、本当の自分を知られてしまったら、
離れていっちゃうんじゃないかと思ってた。

だったら、自分から離れた方がいいや、みたいな。
それで突然、関係を断ってしまうことが多かったかな」

この人の前だとリラックスできるなあ、
みたいな体験は今までありましたか?

「うーーーん……(長考)……なかったです。
ほぼなかったと思います」

……それは。

よくぞ。よくぞここまで生きてこられた。

がんばった。がんばったなーー!

「みんなそんなもんだと思ってましたからね、わりとつい最近まで(笑)。
人生はサバイバルだぜ!って。
こんなもんなんだろ人生なんて!
って」

でも、そこに、違う色をしたボールが、突然、ぽおんと、飛んでくるのだ。

「新卒で語学スクールに就職した時に、後輩がなぜか慕ってくれたんです

それは、なぜだと思いますか?

「何だろう……そんなに厳しくしないから、かな。
無理のないように、伸びていってほしかったので。

あんまり細かく言ったら、
せっかくの、いいところが伸びなくなるでしょう」

それは、かつて自分がされたことの、反対をしてあげたい?

「そうなんですよ!もう、ほんっとうにそうなんです!
息子に対しても、その思いが強くなりすぎて、苦しくなるときがあります。

『母のようなことをしたら不幸になるから、
絶対にそうなっちゃいけない!』っていう緊張感が、

心のどこかに、常にあるので。
最近はちょっとゆるんできているんですけどね

ライスストーリー4に続く

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